アマゾンが、オハイオ州の2つのショッピングモールの購入に関心を示している。「ランドールパークモール」と「ユークリッドスクエアモール」。
オハイオ州クリーブランド。ここに、すでに利用されなくなった大型ショッピングモールと、休眠中のロードサイド店が存在する。次のテナントはおらず、税収も入らないため、市としても問題だ。
アメリカのショッピングモールといえば、シアーズや JC Penny などの大型百貨店と多くの小規模小売店舗を組み合わせたテナント構成が一般的。だが JC Penny は5月に会社を2つに分割したうえでの破産を申請した。分割した1社は従来の JC Penny の店舗チェーンの運営会社、もう1社は不動産投資会社だ。
コロナパンデミック中に大きな売上減を記録したデパート各社は、ショッピングモールのテナントをはじめとした店舗の再編成をはじめている。大手デパートの Macy’s、ノードストロム、ニーマンマーカス、そして JC Penny も、店舗をフルフィルメントセンターとする有効な活用法を見出した。カーブサイドピックアップサービスも好評だったものの、実店舗はまだまだ厳しい状況が続いているのだ。
アマゾンがオハイオの2つのショッピングモールに食指を伸ばしたのも、フルフィルメントセンターとして活用するためだ。
アマゾンがショッピングモールををフルフィルメントセンターにするのは今回が初めてではない。消費者にとってショッピングモールは既に魅力の薄いものになってしまったが、アマゾンにとっては以下のような理由から非常に魅力的なのだ。
巨大な空間:大量の商品の保管スペースと、大量のトラックの駐車スペースに利用できる。ちなみにユークリッドスクエアモールは65万Square Feet(約18,000坪)。
立地:ショッピングモールは人口が多い土地に隣接しているため、迅速に消費者に商品を届けるのに好適。
交通アクセス:高速道路の出入口に近く、トラックを活用した物流に至便。
設備:上下水道、ガス、電気等のインフラが既に整っていて、初期費用が抑えられる。
都市近郊に物流施設を取得したいというニーズは増加の一途をたどっている。一方で、EC との競争に敗れた多くのショッピングモール跡地が活用を待っている。今後もモールからフルフィルメントセンターへの業態変化は増えていきそうだ。https://www.wsj.com/articles/amazon-and-giant-mall-operator-look-at-turning-sears-j-c-penney-stores-into-fulfillment-centers-11596992863?mod=business_lead_pos1