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その商品、本当に明日必要ですか?

現在アメリカでは2-day free shipping がスタンダートとなっている。アメリカでは、ネットで買った商品は翌々日に自宅に届くのが基本だ。

アマゾンは日本と同様、1-day free shipping を実現している。だがアメリカは国土が広く移動距離が長いため、標準サービスとして2日というのもやむを得ないところだろう。むしろ2-day free shipping でさえ、かつてのアメリカでは考えられなかったサービスなのだ。今やアメリカの消費者の29%は、最低でも2-day free shipping でないとそのサイトで商品を購入しないと回答している。

こうした1-day 、2-day 配送は、ラッシュシッピングと呼ばれている。そしてこのラッシュシッピングの日数の縛りが物流の非効率を引き起こし、環境問題にも影響しているという。

「私たちが持つ既存の配送ネットワークに繋げられれば、非効率な配送や環境問題が回避できるのに」と UPS は嘆く。

注文から1-day 、2-day で配送するためには、トラックの積載率など気にしてはいられない。だが2~3日の余裕があれば、同じ仕向け地のトラックの積載率が十分になるまで待つことができる。ラッシュシッピングのためにはトラックの積載率が低くても多頻度で走らせなければならないため、台数を減らすこともできない。結果として全体の積載効率が悪化し、そこにドライバー不足が追い打ちをかける。

注文した商品が近くのフルフィルメントセンターに在庫していればよいが、遠く離れた他州のフルフィルメントセンターから引き当てられた場合などは、飛行機の必要性も出てくる。飛行機の CO2 排出量は、トラックの約8倍になる。

こうした現状に異を唱える声も、少しずつだが聞こえてきている。

小売業者が環境に関心のある消費者に対して、「エコフレンドリーオプション」としてノーマルシッピングを推奨する動きが出てきているのだ。配送を急がないノーマルシッピングのカートンを緑色にし、置き配すると近隣から環境配慮があると認識される。それをさらに広げてノーマルシッピングの割合を増やし、環境負荷低減につなげていこうという狙いだ。物流の効率化も眼目であることは言うまでもない。https://edition.cnn.com/2019/07/15/business/fast-shipping-environmental-impact/index.html

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