シュナックスマーケット(Schnuck’s Market)は、セントルイスを拠点に112店舗を展開するスーパーマーケットだ。
このシュナックスマーケットで、シンベ社(Simbe)が開発した商品補充システム、タリーロボ(Tally Robot)が活躍している。
7台のカメラとセンサーを備えたタリーロボは、細長いスラリとしたスタイル。移動しながら商品の陳列棚をスキャンして、欠品している箇所や在庫が切れそうになっている箇所を見つけだし、店のサービススタッフに情報を送る。
欲しかった商品が売り切れていたという事態は、カスタマーにとっても店にとっても機会損失だ。このタリーロボは、そんな災難を防止してくれる。
商品の欠品を検知する能力は、人間の14倍。これにより販売の機会損失は20%下がるという。また、棚にきちんと陳列されていない場合もアラートを出す。
フロアを1周するごとに3万5000アイテムをスキャンでき、それを1日に2~3回繰り返す。もっと広い売り場を持つストアでは、420万アイテムを正確にスキャンするだけの能力を持っている。人や障害物に接触することなく安全に任務をこなすことができ、フロアを回り終えたら充電ステーションに自ら戻ってくる。
ただし、機能的にはサービススタッフにアラートを送るだけであって、自身で商品を棚に補充することはできない。補充するのはあくまで人間のスタッフだ。言い換えれば、人のジョブを奪うことがない。
タリーロボはピッツバーグを拠点とするスーパーマーケット、ジャイアントイーグルやマーケットディストリクトでも導入されている。
シュナックスマーケットが初めてタリーロボを導入したのは2017年7月。2018年には導入店舗は15店舗まで増加した。今後は、ミズーリ州、イリノイ州、インディアナ州の62店舗でタリーロボを導入する予定だ。
さまざまな分野で自動化が予想されているが、自動化は一気に進むのではなく、このような限られた機能を持つロボットが順次代替していくといわれている。シュナックスマーケットにおけるタリーロボは、その先鞭をつけたといっていいいだろう。https://www.supermarketnews.com/technology/schnuck-markets-rolls-out-shelf-scanning-robots-over-half-store-base