4月末、米アマゾンは米国内50万人以上の労働者の賃金上乗せを決めたと発表した。
アマゾンのグローバル人事バイスプレジデントのダーシーヘンリー氏は
「アマゾンは労働者の時給を50セント~3ドル増額する。増額分の支払いには10億ドル以上を費やす。これは、全米数十万人に対するインセンティブを意味するものだ」
と述べた。
賃料上乗せは5月中旬から6月上旬までに開始される予定。米アマゾンはもともと昨年の秋に、「2021年の5月から6月にかけて、カスタマーフルフィルメント、配送、パッケージの仕分け等に関わる従業員の増額を検討する」と予告していた。今回の増額実施はその発表に基づくものだ。
コロナパンデミックによるオンライン注文の急増に対応するため、アマゾンは雇用を増やし続けてきた。
アメリカでは経済が再開したものの、多くの企業では従業員確保に苦慮している。労働者が、アマゾンのような処遇の良い企業に流れてしまっているからだ。雇用主は労働者を引き付けるため、賃金の増額を検討すべきだとある専門家は語っている。
アマゾンも、道のりは順風ではなかった。2018年に米国内の全従業員の最低賃金を時給15ドルに引き上げたが、これは政治家や労働者組合からの圧力を受けた結果だ。今月初めにも、アラバマ州で組合との大規模な衝突があった。
だがこうした動きに対し、今では待遇の良さを高らかに主張している。会社として他社に先駆けて時給15ドルを導入した、と。
ここにきてバイデン政権は2025年までに最低賃金を現在の7.25ドルから一気に15ドルにルール化しようという動きまである。
これまでアマゾンの動きがトレンドになってきた例は多い。それが今度は賃金レートにまで波及しようとしている。
https://www.cnbc.com/2021/04/28/amazon-to-hike-wages-for-over-500000-workers-to-up-to-3-an-hour.html