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シカゴの鉄道輸送がパンク

アメリカでは依然として、大量の輸入貨物によるサプライチェーンの滞りが続いている。

ロサンゼルスロングビーチ港(LALB港)では主にアジアからの輸入の3分の1を処理しているが、その量は増加の一途をたどっている。2021年度の第2四半期は、一昨年度比で18%増加。昨年度比では32%も増加している。

混雑の背景には、コンテナ不足、コンテナ船のスペース不足に加え、今年3月にスエズ運河で起きたエバーギブンの座礁事故なども絡む。

中西部のシカゴでも、コンテナ貨物の大量流入によって物流が遅延している。

シカゴの貨物輸送の主役は鉄道。混雑緩和のため、大手鉄道会社ユニオン・パシフィック社は7月18日から約1週間、ロサンゼルスをはじめとする西海岸からシカゴへの輸送を停止していた。それでも混雑を緩和するには不十分で、使用を休止していた輸送施設を一時的に復活させた。

シカゴは主要な貨物鉄道7つ全てが集まっており、アメリカにおける主要な物流ハブとして機能している。入ってくる貨物、出ていく貨物ともに膨大な量で、非常に複雑なオペレーションを強いられてきた。それが、輸入貨物の大量流入を受けてパンクしてしまった。

一部の荷主はこの遅延を回避するため、西海岸からシカゴに配送してもらう代わりに、シカゴから比較的近いセントルイスやカンザスシティ、メンフィスといった都市に配送先を変更している。

なかには鉄道からトラックや飛行機に切り替える荷主もいるが、費用が高すぎするため多くの荷主は躊躇している。

シカゴに近いオハイオ州コロンバスまでの輸送をトラックに切り替えた Zipline Logistics の Andrew Lynch 社長は、1週間前より300ドル高い6000ドルを支払ったと述べている。鉄道以外の輸送網にも影響が出始めている。https://www.wsj.com/articles/supply-chain-backlogs-turn-chicago-into-new-chokepoint-11627064719

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