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コロナワクチンのラストマイル問題

新型コロナワクチンの物流が問題になっている。

世界各地で供給が始まった新型コロナウイルスのワクチン。国連は先週、ワクチンの「世界各地への安全でタイムリーな配達を確実にするため」に、航空会社、貨物およびロジスティクスプロバイダーと協力していると述べた。

あるワクチン開発者は、2021年末までに世界人口の3分の1以上に十分な量を生産できると述べている。

新型コロナワクチンの大量展開が、世界中で210万人以上の命を奪ったコロナウイルスのパンデミックに終止符を打つのに役立つと期待されている。

しかしその高い期待の一方で、世界はロジスティクス上の最大の課題に直面している。

ファイザーと BioNTech 社が開発した新型コロナウイルスのワクチンは、工場から出て患者に投与される直前まで一貫してマイナス70度の冷凍状態で保管・輸送されなければならない。

マイナス70度は、物流の温度帯では「超低温」に分類される。保管も輸送も専用の設備が必要で、簡単にできるものではない。家庭の冷凍庫がマイナス20度程度と聞けば、誰にでも調達できる設備ではないことは想像がつく。特に途上国においては困難を極めることになるだろう。

ルフトハンザカーゴのボックスバーグ取締役はダボス会議で「航空業界においては既に準備は整っており、供給が一気に増えたとしても、正しい温度管理のもと輸送することは可能な状態だ。しかし、問題はそれぞれの消費国の内陸輸送であり、病院に届く手前のラストマイルでもマイナス70度を維持した状態で果たして輸送されるかだ」と述べた。

到着地の空港まで温度管理が出来ても、病院の手前で温度が上昇してワクチンが死んでしまっては全く意味をなさない。輸送の全行程にわたって、輸送に関わる全員が厳しい温度管理を遂行する必要がある。

コロナワクチンのラストマイルには、大きな課題が立ちはだかっているといっていい。

https://www.cnbc.com/2021/01/26/last-mile-delivery-problems-hampering-pace-of-covid-vaccine-rollout-distributors-say.html

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