FedEx は、創業者であるフレッド・スミスCEO が6月1日に退任し、ラジ・サブラマニアム氏が後任に就くと発表した。
スミスCEO は77歳。イエール大学在学中、航空会社のネットワークの組み合わせと夜中に飛行機を飛ばすエクスプレスデリバリー構想を練り上げ、51年前の1971年に FedEx を設立した。
テネシー州メンフィスを本拠地とする FedEx は60万人の従業員を抱え、昨年は920億ドルを売り上げた。2年前までは Amazon の物流を取り扱っていたが、ネットショップパッケージの物量急増による混乱と納品遅延問題等も重なり、Amazon が自社物流を確立させたことで2019年に2社の契約は解消となった。
この1年間でライバルの UPS の株価が28%上昇した反面、FedEx の株価は18%低下した。この3ヶ月の貨物取扱量は昨年1760万個で、今年は1680万個にとどまっている。
後任のサブラマニアム氏は56歳。FedEx に30年以上勤めるベテランだ。スミスCEO の息子であるリチャード・スミス氏には幹部職として今後様々な権限が与えられ、9月には同社の CEO 出世コースと目されるエクスプレスユニットの責任者に就くことになる。
物流を取り巻く情勢の劇的変化によって、増大するニーズの取り込みに一歩出遅れた感のある FedEx。巻き返しを図れるか。