消費大国にして自動車大国であるアメリカが生んだドライブスルー。
新型コロナの感染拡大が続くなか、
採用する店舗ががさらに増えている。
米大手ドラッグストアの WALGREEN は、
全米7300店舗でドライブスルーサービスを開始した。
対象商品はクリーニングサプライ、ペーパーグッズ、
ファーストエイド、市販薬など約100種類で、
処方箋の薬品は対象外となる。
先般3月時点では対象商品を60種類と発表していたが、
大幅に増やした形だ。
ネット注文と異なり、事前の注文は受け付けていない。
店に車で乗り付けて、
ドライブスルーカウンターで注文する必要がある。
空いていれば商品が届くまでその場で待てばよいが、
混雑時は注文後に再度時間をおいて商品をピックしにきてもらう。
WALGREEN の RICHARD ASHWORTH 社長と広報は、
「現在のCOVID19パンデミックの最中、
消費者は店内に入ることを嫌がる。
ネット注文では手元に届くまで数日かかるという不便さが残る。
SOCIAL DISTANCE を確保したまま安全に買い物をしたい。
そんなニーズに応えるために、
必要な商品を素早く購入して自宅に戻れるよう
ドライブスルーサービスを開始した」
と述べている。
WALMART や TARGET は昨年、
ネットで注文した商品をドライブスルーで受け取る
クリックアンドコレクトを開始した。
利用者数は、このパンデミックによって確実に伸びている。
ウィスコンシン州を中心に展開するホームセンター、
ブレインズファームアンドフリートは
2016年からクリックアンドコレクトを実施しているが、
46店舗のローカルチェーンのため
市場に影響を及ぼすほどではなかった。
シアーズは2009年にクリックアンドコレクトを始めた、いわば先駆者。
しかし利用者が伸びず、
2013年にはサービスを停止している。
このように失敗例もあるが、現在の状況を鑑みた場合、
消費者にとってのドライブスルーニーズは高まってきており、
流通の1ジャンルとしての地位を確立したといっていい。
消費者は SOCIAL DISTANCE に慣れ、
ドライブスルーの利便性を知った。
新型コロナの影響が無くなってからも、
採用例はさらに増えるかもしれない。