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アメリカで記録的な倉庫需要

ネット通販の需要増に押され、世界的に倉庫の需要が高まっている。

世界各国で不動産サービスを展開している Cushman & Wakefield 社のレポートによると、2020年の第4四半期にアメリカで836万㎡の倉庫スペースが埋まったという。2020年1年間では2500万㎡もの倉庫が埋まった。

新規契約も伸びている。同じレポートでは、第4四半期の新規の不動産契約は1700万㎡。2020年1年間では6100万㎡。そのうち86%を物流倉庫が占めるという結果となった。

この貸し床面積は、Eコマースの需要高によって3PL企業による契約が相次いでいるために生まれた。

多くのサプライチェーンは、パンデミックの初期に見られた在庫切れを回避するため、在庫を多く持つようになっている。商品の形態にもよるが、小売店舗のような棚がない倉庫では、保管に必要なスペースは店舗に陳列する場合の最大3倍になる。

さらにラストマイル対策として、より高頻度でデリバリーできるよう、消費者に近い場所を借りる傾向が顕著になっている。これも需要増を後押ししている。

大量の倉庫スペースの供給は、部分的・一時的に空室率を押し上げてもいる。空室率は全米30都市で上昇し、平均5.5%となった。しかし、それでもここ10年間の全体平均6.6%を下回る数字だ。

逆に空室率が低くなったのは、カリフォルニア州ロサンゼルスとオレンジカウンティ、バージニア州のハンプトンローズ地区、フィラデルフィア、ニュージャージー中心部、テネシー州ナシュビル、オクラホマ州タルサ、アイダホ州ボイゼなどで、空室率3%以下となっている。

倉庫需要は、数字上はアメリカの不動産全体を底上げもしている。例えばアメリカの商業不動産の賃料は全体で4.6%上昇し、過去最高となっている。それを牽引したのが、5.6%上昇した物流倉庫だ。

船舶を中心とした輸出入は活況を呈している。港で荷捌きされた20フィートコンテナの数は、2020年に記録的な量となった。今年に入ってからもその勢いは続いているという。

この倉庫需要はまだ続くと言われている。

https://www.freightwaves.com/news/logistics-real-estate-activity-breaks-records-in-q4

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