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船腹不足 年末商戦に不安

コロナパンデミックが、サプライチェーンの物流デマンドを押し上げている。

コンテナ船の船腹が不足し運賃が急騰するなか、サプライチェーン各社はコンテナ船の発注を急いでいる。ここ数年のコンテナ船発注数を見てみると、2019年に114隻、2020年には120隻。それが今年に入り、発注はさらに加速している。1月から5月までの5ヶ月間のみで、208隻(20フィートコンテナ約500万本分に相当)もの注文が入っているのだ。各社の船腹不足の窮状を表している。

しかし残念なことに、これらの大半は2023年まで待たなければ納船されることがない。

Freightos Baltic Index(世界コンテナ運賃指数)を見ると、主要航路の海上貨物運賃がいかに急騰したかが分かる。

今年1月から現時点までで、中国→アメリカ西海岸航路で66%、アジア→北ヨーロッパ航路では92%上昇している。2020年初めから現時点までだと、中国→アメリカ西海岸航路で400%上昇、アジア→北ヨーロッパ航路では480%も上昇している。

現在の運賃高騰と船腹不足は、海上輸送の急増に港湾施設が追い付かないために起きている。主なボトルネックとなっている港は、上海、ロッテルダム、ロサンゼルスのロングビーチだ。環太平洋航路で400隻、アジアヨーロッパ航路では140隻ものコンテナ船が、到着予定日から2週間以上も遅延している。

こうした状況から、市場では早くも年末商戦への危惧が頻出している。通常、年末商戦に向けた物流が活発になるのは10月から。ウォルマートやアマゾンをはじめとする小売業界大手各社は、それよりもかなり前倒して対応せざるを得ないだろうと見られている。

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