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コロナパンデミックで倉庫床さらに拡大へ

ロードスターの記事より。

プロロジスリサーチの見立てでは、アメリカ市場単体で、向こう2~3年は毎年、1400万~1900万㎡の倉庫スペースが必要になるそうだ。 この3月~4月で30%がネットへシフトしたというデータに基づいたものだ。 この需要は、買い物のスタイルが実店舗からネットへ急速に変化したことと、在庫高の上昇の2つの要素によるもの。

当然在庫高上昇は e-commerce の加速によるものであるが、ここにきて在庫保有率が上がってきている。 今回のコロナパンデミックで、多くの消費者は実店舗での買い物から、ネットで商品を買うスタイルに変えている。

在庫保有率はどうだろう。 アメリカの小売業界の売上高に対する在庫比率は、1990年代、平均1.65%であった。 その後「在庫はコスト」、「在庫は減らせ」、「在庫=悪」などといった論調はさらに台頭し、コロナパンデミックの前は、平均1.45%まで下がっていた。 90年代と比較するとわずかな減少ともいえるが、残念ながら結局それがあだとなり、今回のパンデミックによる需要急増に全く供給が追い付かないという事態を招いてしまった。

近い将来、売上高在庫比率は、5%~10%に上昇するのではといった見方も出てきている。それが仮に現実的なパーセンテージだとした場合、必要な倉庫スペースは2600万~4700万㎡にも相当するという。

プロロジスリサーチは、「食品、家電、ヘルスケア関連等、在庫を削ぎ落し続けたたいくつかの小売り企業が際立っていたが、近々新たな適正在庫のスタディーや議論がなされ、理想的な在庫の新基準が生まれるだろう」と述べる。

ロックダウンも解除された今、コスト面も含めて考慮すると、実際にそれほどの倉庫需要が今後生まれるは不透明だ。だが、より多くの倉庫が必要とされていることは間違いない。アメリカの倉庫面積は、今後しばらくは増床を続けるだろう。

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